
FOR WEDDING
結婚準備ガイド
結納・結婚式の引出物のセオリーを紹介します
目次
- ■「引出物」の起源って?
- ■結納の引出物とは?
- ■結納の引出物の渡し方
- ■結婚式の引出物の品数は3品が一般的
- ■地域によって引出物はさまざま
- ■結婚式の引出物で支持される贈り分けとは?
- ■結婚式で引出物を間柄で贈り分ける際の選び方のポイント
- ■世代やライフスタイルを考慮した引出物選び
- ■まとめ
■「引出物」の起源って?
結婚式のゲストとして来場された方に、引出物をお渡しするのがセオリーです。なぜ「引出物」が必要なのか、なぜこんなにもたくさんの引出物を準備する必要があるのかわからないことばかり。ここでは、由来から詳しく説明してまいります。
◇引出物の由来とは?
平安時代、武士にとって馬は、欠かせない存在でした。
財産としての価値を持つ馬を贈ることは、相手に最高の敬意を示す行為と考えられていました。その馬を、大切な客人が帰る際に庭先に引き出して贈った慣わしから「引出物」と言う言葉が生まれたと言われています。
◇引出物の歴史
室町時代に入ると、貨幣という概念が生まれました。ものの売買に貨幣を用いるようになった結果、引出物は馬を贈るしきたりから「代馬(だいば)」や「馬代(うましろ)」と名と形を変えて金品を贈るようになったと言われています。
その内容として、酒宴の席に添える品物や招待客への土産物があげられています。こういった形は、今の引出物のルーツと考えられるでしょう。
戦国時代には武運長久を祈って「武具」を土産物として渡し、江戸時代には縁起物のひとつである「かつお節」がお膳に添えられたようです。
このように、大切な客人のおもてなしに欠かせない土産物を贈る習慣は、現代では結婚式披露宴などでの「引出物」に引継がれています。
■結納の引出物とは?
今の時代は、省略されることもある「結納の儀」。結納の際に贈られる引出物について詳しく説明いたします。
◇女性側が男性側へ渡すお礼
結納は、婚約式などと位置づけられます。一般的には男性側が女性側の自宅へ出向き、結納を交わし、婚約が成立した際、来訪に対するお礼という位置づけで渡す品物が「引出物」です。迎えた側がお礼として渡すという意味では、結婚披露宴の際にゲストにお渡しする引出物と同じ性質のものととらえるとわかりやすいのではないでしょうか。
ただし、男性を婿に迎える場合は立場が逆になります。男性側が婿取りの女性側を迎える立場となり、引出物は男性側が準備することになります。
◇「引出物」と「手土産」は何が違うの?
男性側は招待されたことへの感謝の気持ちを示すために「手土産」を持参します。一方、女性側は、自宅まで足を運んでくれた男性側に感謝の気持ちを示すため、帰り際に渡す「引出物」を用意します。引出物と手土産の違いは、男性側・女性側で用意する品物かによって区別されるのです。
◇「結納返し」とは別に引出物を準備しよう
結納返しとは、男性側からもらい受けた結納の品に対してお礼と、両家の親交を深めるための意味を込めて金品を渡す儀式です。返礼品など呼ばれ、地域によっては『返しのし』もしくは『土産のし』などと言われることがあります。
本来ならば結納式を行ったのちに女性側が男性の自宅を訪れ、結納返しを行うことがセオリーとされていましたが、このところの傾向では結納式の日に女性側が男性側に対して「結納返し」を渡すことが多いようです。
この結納返しを引出物としてお渡ししても良いのか、という疑問を持つこともあるでしょう。引出物は来訪に対するお礼であり、結納返しは結納品に対するお礼となります。それぞれ異なる意味があるため、女性側は引出物と結納返しはそれぞれ準備しましょう。ただし、関西式など「結納返し」という風習がない地域もあります。その地域に応じた対応を行うのがベターです。
■結納の引出物の渡し方
結納を交わしたときに渡す引出物について、いつ、どんなタイミングで渡せばいいの?と慌ててしまうこともあるでしょう。スマートにお渡しできるように、引出物の渡し方についてご紹介します。
◇引出物を手渡しするタイミングはいつ?
引出物を新郎家に手渡しするタイミングについて悩まれることもあるでしょう。引出物を手渡しするタイミングとして、結納を済ませたのち男性側が女性の自宅を出る直前に手渡しするとスマートです。
ホテルなどで行う結納式の場合にも、女性側が引出物を準備し、お渡しするのが一般的です。そのときには、席のお開きの後に引出物を渡しましょう。
◇引出物の手渡しの仕方
引出物は、女性側のお父様から男性へ、もしくは男性側のお父様に手渡しましょう。そのときに「本日はお越しいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」というような言葉と一緒にお渡しすると丁寧です。男性側が遠方からきている場合や、宿泊を伴う来訪の場合は、引出物とともに「お車代」を渡すこともあります。
引出物を渡すときには、紙袋に入れて渡すのは避けましょう。えんじ色もしくは紫色などの無地の風呂敷に品物を包み、風呂敷ごと渡します。多少持ち運びにくいと思われるかもしれませんが、結納の引出物をおめでたい色の風呂敷で包むことで「両家がひとつに包まれるように」という共栄の意味を込めることができます。風呂敷包みにも意味があることがわかると、心を込めてお渡しする意義が生まれます。
◇媒酌人(仲人)がいる場合
家柄の関係や、社内恋愛などで結ばれたカップルの場合、仲人を間に立てて婚姻の準備を進めることがあります。媒酌人(いわゆる仲人)を立てて結納式を行った場合にも仲人に対して引出物をお渡しする必要があります。内容は、男性側にお渡しするものと同一のもので構いません。同じく風呂敷に包んでお渡しします。両家の間を取り持ってくれる役目を果たす媒酌人夫妻に対しても、来訪のお礼を込めてお渡ししましょう。
■結婚式の引出物の品数は3品が一般的
引出物の数は、一般的には①記念品、②引菓子、③縁起物の3品を用意することが多く、地域の風習によってはさらに2品を追加して5品を用意されることも。
引出物は「割り切れない数字=割れない」を意味するものとされ、3品、5品と割り切れない品数を贈るのがマナーとなっています。
「縁起物」は、その品物自体に縁起を担ぐ意味を持つもので、代表的なところでは、赤飯やかつお節や紅白まんじゅうなどがあげられます。以下でポピュラーな引出物を紹介しますので、参考にしてみてください。
◇【記念品】丸い食器やお盆
ほかの品物は食べてしまえば残りません。形に残るものという考えから、1品は食器やお盆などを入れるとされています。また「丸く収まりますように」という意味から丸いものが選ばれています。食器の場合、「割れ物」は忌み嫌われることがあるため、陶器や磁器は避け木製の工芸品などを選ぶと良いでしょう。
◇【引菓子】紅白まんじゅうやバウムクーヘン
古くから「紅白のもの」はおめでたい印として使われてきました。小豆は貴重品で、時間をかけ丁寧に炊き上げられるあんこはそれだけでお祝いの席にふさわしいものとなります。そのため、紅白まんじゅうを引菓子として準備することがあるようです。また、バウムクーヘンは、木の年輪をかたどった西洋菓子です。日本では「長寿」や「繁栄」、「年輪を重ねるように幸せを重ねる」といった意味を持たせています。また、焼き菓子は日持ちがするので、受け取った側も安心です。
◇【縁起物】赤飯やかつお節
赤飯は、小豆の皮の色でご飯を赤く染めることからおめでたいときに作るものとされてきました。先ほども触れたとおり、小豆は貴重品で祝い事など大切なときに用いられてきました。そのため、慶事には欠かせない食べ物として位置づけられています。ただし、季節によっては傷みやすいので引出物としてふるまうことは避け、赤飯に代わる引菓子を準備しましょう。
かつお節には、スマートな雄節(背側)とふっくらした雌節(腹側)があり、そのふたつを合わせて一対に。新郎新婦がそろってひとつの形(家族)を作ることを意味する結婚式にふさわしい1品です。近年では節を削った、かつおパックを贈るのが一般的です。
食品以外に紅茶(幸茶の意)やスプーン(幸せをすくうの意)などの品物を用意される方もいらっしゃいます。
■地域によって引出物はさまざま
地域によって引出物はさまざまなので、親御さまに必ず相談しましょう。
北陸地方などでは、記念品、地方の名物、かまぼこ、洋菓子、紅白饅頭、赤飯、かつおぶしなど、7品目程度を贈るようです。
秋田県や山形県では、結婚式の数日前までに寝具を届ける場合もあるとか。
新潟県では、果物などの籠盛りをつけたり、ふたりの名前を書いた熨斗紙に松の葉を飾る習慣が一般的なようです。
富山県の引出物の主役は鯛や鶴などをかたどった「細工かまぼこ」です。
香川県では、色鮮やかな丸いあられ菓子で「おいり」という郷土菓子を贈ります。
また、愛知県や岐阜県では新郎新婦の名前を書いた熨斗紙を掛けた品物「名披露目(なびろめ)」を贈ります。
■結婚式の引出物で支持される贈り分けとは?
結納を終え入籍が済んだ後には結婚式を行います。結婚式においても参加してくれたゲストのために引出物として記念品を贈る必要があります。以前は結婚式に出席していただいたお礼や御祝儀へのお返しとしての意味合いが強かった引出物。
結婚式自体が「お披露目する場」から「感謝を伝える場」へと変化しているように、引出物も「お贈りする方に喜んでもらえる品」という意識が年々強くなっています。そういった想いからか最近は、ギフトをただお贈りするだけでなく、質や内容へのこだわりが強くなってきました。
そんな“おもてなし”を大切にするおふたりに支持されているのが「贈り分け」というスタイルです。
お贈りする引出物が全員同じだったのは実はひと昔前のことで、現在は8割近いカップルがゲストによって贈り物を変える贈り分けをしています。
その基準は「親族、友人などゲストとの間柄によって」という回答が70.6%とダントツ。そのほか、「年齢層によって」「性別によって」「予想されるご祝儀の額によって」などの声もあり、相手の個性に合わせて選ぶ時代になっているようです。(リクルート ブライダル総研調べ)
■結婚式で引出物を間柄で贈り分ける際の選び方のポイント
贈り分けといってもひとり一人に合わせて引出物を選ぶのは大変です。一般的には2~5パターンくらいに分けて用意することが多く、贈る相手との間柄によって品物や金額を決めることが多いようです。
主賓・上司 | ■日常をより楽しく過ごせるハイクラスでスマートな実用品を!
流行や好みに左右されない上質感と使い心地にこだわった贈り物を選んでみるといいでしょう。 ■主賓・上司への引出物の相場 |
ご親族 | ■実用性を重視した存在感を放つ品が決め手!
幼いころから成長を見守っていてくれたご家族やご親族への贈り物は、 ■ご親族への引出物の相場 カタログギフトにプラスして、ブランドの和食器セットや茶器セットなどと言うように品数を多くするケースも見られます。 |
男性のご友人 | ■「さすが!」と賞賛される、こだわりのデザインを!
しっかりとしたご自身のスタイルや流儀を持つ男性には、 ■男性のご友人への引出物の相場 |
女性のご友人 | ■ときめきを感じられるアイテムを選ぼう!
花嫁さまの幸福感をもっとも理解してくださる大切な女性のご友人には、 ■女性のご友人への引出物の相場 |
■世代やライフスタイルを考慮した引出物選び
引出物の中でもメインとなる記念品には、ゲストが好きなものを選べる「カタログギフト」とおふたりがゲストのために選ぶ「セレクトギフト」のふたつのスタイルがあります。「カタログギフト」は、ゲストが幅広い選択肢から好みをセレクトできる以外に、軽くてかさばらないことも長い間支持されている人気の理由です。
一方で「セレクトギフト」は、おふたりがゲストを想う気持ちをしっかりと伝えられ、喜ばれる表情をイメージしながら選ぶ楽しさがあります。
また、贈られる側もその品物を眺めたり、使うたびに、おふたりのことや結婚式の思い出に浸ることができるのが魅力です。
記念品に添える引菓子も必須の贈り物です。引菓子というとバームクーヘンが定番ですが、流行のスイーツを選ばれる方も多くいらっしゃいます。
引菓子を選ぶ際には、美味しいのはもちろんですが、ひとり暮らしをしていらっしゃるゲストや、ご年配の方などがいらっしゃる場合には、贈る方の世代やライフスタイルを考慮して大きいケーキよりも小分けになっているお菓子を選ばれるといいでしょう。
■まとめ
「引出物」にまつわるあれこれをご紹介しました。何気なく選ばれる引出物にもそれぞれに意味があることがわかると、さらに心を込めたお品選びができることでしょう。
ホテル椿山荘東京では、ご結納やお顔合わせについて多彩なプランをご用意しています。お気軽にお問合せください。
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