ホテル業界が取り組むSDGs〜生物多様性を支える都市養蜂とは~ | 東京のホテルならホテル椿山荘東京。【公式サイト】

【コラム】ホテルの時間

ホテル業界が取り組むSDGs〜生物多様性を支える都市養蜂とは~

ホテル選びの条件といえば客室の広さや価格、交通の利便性などが挙げられます。それらに加え、近年は「環境や社会に配慮したホテルかどうか」というSDGsの観点を重視する旅行者も増えてきました。本記事では、サステナブルな意識の高まりを背景に、地域の生物多様性を支える都市養蜂の役割と、ホテル椿山荘東京の取り組みについてご紹介します。

目次

  • 1.ホテル業界が取り組むSDGsとは?
  • 2.地域の生物多様性を守るホテルの取り組み
  • 3.都市養蜂とは?
  • 4.ハチミツの栄養価と特徴
  • 5.ホテル椿山荘東京の都市養蜂プロジェクト
  • 6.ホテル椿山荘東京が行うサステナビリティの取り組み
  • 7.サステナブルなホテル選びが未来をつくる

1.ホテル業界が取り組むSDGsとは?

  • まずはSDGsの意味や目的とともに、ホテル業界の取り組みをお伝えします。

    「SDGs」とは、“Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)”の略で、地球環境や社会の持続可能性を守るために国際的に掲げられた17の目標のことです。貧困の解消や気候変動への対応など、さまざまな課題に対し、国や地域、企業が協力して取り組むことが求められています。

    ホテル業界でもこうした世界的な動きに呼応し、環境への配慮を重視した運営を進める例がみられるようになってきました。たとえば、CO2排出量の削減、プラスチック使用の制限、コンポストによる廃棄物管理、食品ロスの抑制などの具体的な取り組みが広がっています。

    同様に旅行者の間でも「旅先でも環境に配慮したい」という意識が高まっており、サステナブルな価値観の浸透とともに、環境への取り組みがホテル選びの新たな基準として注目されるようになっています。

2.地域の生物多様性を守るホテルの取り組み

  • 持続可能な社会の実現には、地域の環境を守り、生物多様性を維持する取り組みが欠かせません。ここでは、生物多様性の基本的な考え方と、企業やホテルによる取り組みの広がりについて見ていきます。

    生物多様性とは、地球上に存在する多種多様な生きものと、それらが織りなす複雑な生態系、そしてそのバランスを保つ仕組みを指します。すべての生物は、食物連鎖や物質の循環といった様々な形で互いに関わり合いながら生きており、こうした健全な関係性のもとで、私たちは食料、水、空気といった生命に欠かせない恵みを享受しています。

    しかし近年、都市開発や乱獲、気候変動などの影響により、生物多様性の損失が深刻化しています。多くの動植物が絶滅の危機に瀕しており、その保全に向けた取り組みは社会全体での重要な課題となっているのです。

3.都市養蜂とは?

  • 生物多様性の保全や都市の緑化に貢献する取り組みとして、注目が集まっているのが「都市養蜂」です。これは、都市部のビルの屋上や公園などを活用してミツバチを飼育する活動で、パリやロンドン、ニューヨークといった世界の主要都市で広く行われてきました。近年、日本においても、企業や団体による取り組み例が増えています。

    都市養蜂が注目される背景には、ミツバチの重要性と個体数の減少という深刻な問題があります。国連環境計画(UNEP)の2011年の報告によれば、世界の食料の約9割を占める100種類の主要作物のうち、7割以上がミツバチなどの花粉媒介生物による受粉に依存しているとされています。

    ミツバチは農作物の生産だけでなく、自然環境の維持にも欠かせない存在です。しかし近年、地球温暖化や農薬の影響、生育地の減少などにより世界的に数を減らし続けています。

    このような状況を受けて、都市においてもミツバチの生育環境を守ろうとする動きが活発化しています。都市養蜂は、単なるハチミツ採取にとどまりません。都市の緑地保全や生物多様性の回復に貢献するとともに、都会に暮らす人々が自然とふれあい、環境問題への意識を高めるきっかけにもなっているのです。

4. ハチミツの栄養価と特徴

  • ハチミツには、ブドウ糖や果糖をはじめ、ビタミンB群、鉄や亜鉛などのミネラル、アミノ酸、ポリフェノールなど、自然由来の栄養素がバランスよく含まれています。

    主成分のブドウ糖や果糖は、体内で素早くエネルギー源となるため、古くから疲労時の栄養補給に利用されてきました。また、微量ながら含まれるビタミンやミネラルは、代謝の働きを支える栄養素として知られており、日々の健康を意識した食生活に自然と取り入れやすい食品のひとつです。

5.ホテル椿山荘東京の都市養蜂プロジェクト

  • ホテル椿山荘東京は、東京の文京区という都心にありながら、豊かな自然と静かで落ち着いた環境を有するホテルです。敷地内には広大な庭園が広がり、季節ごとに移ろう美しい景観をお楽しみいただけます。

    いつの時代も、その時代が必要とするオアシスであり続けること。
    これはホテル椿山荘東京が掲げている使命です。この使命に基づき、SDGsの理念に沿った持続可能なホテル運営を進めています。

  • ホテル椿山荘東京の都市養蜂のはじまり

    当ホテルの庭園には、椿や桜などの樹木に加え、さまざまな草花が四季折々の彩りを添えています。また、水源となる池や清流もあり、ミツバチにとっても理想的な環境が整っています。

    こうした恵まれた立地を活かし、2024年春から「メローサーフ養蜂園」の指導と、NPO法人「地縁の輪(ちえのわ)」の協力のもと、ホテル敷地内での都市養蜂をスタートしました。パンケット棟の屋上に設置された5つの養蜂箱で採蜜されたハチミツは、「GARDEN HONEY」として館内ショップ「セレクションズ」で販売されています。

    商品化にあたっては、文京区内の障害者支援施設「リアン文京」および「JSPちよだ」と連携し、瓶詰めやラベル貼付などの工程を委託。障害者就業支援の一環としても、地域とつながる取り組みとなっています。

  • 椿山荘オリジナルハチミツ「GARDEN HONEY」のご紹介

    敷地内で採蜜されたハチミツは、採蜜時期にちなんだ月名を冠した「GARDEN HONEY」として商品化されています。

    たとえば「5月」は、春の庭園を彩る椿や桜の蜜を中心とした、やさしい香りと爽やかな甘みが特徴。「6月」は初夏の花々から採れたコク深い味わい、「7月」は甘みにほのかな酸味を感じる軽やかな風味と、それぞれ異なる特徴があります。季節とともに移ろう風味を楽しめる特別なハチミツです。

  • ホテルで味わう「GARDEN HONEY」

    スイートルームゲスト専用のエグゼクティブラウンジ「ル・シエル」では、ご朝食にキューブクロワッサンへ「GARDEN HONEY」をかけてお召し上がりいただけます。庭園を望む空間で、心地よい朝の時間をお過ごしください。

6. ホテル椿山荘東京が行うサステナビリティの取り組み

  • ホテル椿山荘東京は、SDGsの理念に基づいた取り組みを評価され、宿泊施設の品質や環境配慮に関する第三者認証「サクラクオリティグリーン認証」を取得しています。環境への配慮としては、都市養蜂に加え、資源循環に取り組むパートナー企業との連携、庭園の保全や整備などを通じて、持続可能なホテル運営を進めています。

  • 2025年3月からは、宿泊に伴うCO2排出相当量をカーボン・オフセットできる「CO2ゼロステイ」サービスを導入した宿泊プラン「Healing Gardenステイ」の提供を開始しました。朝食には地元産の野菜を積極的に取り入れ、CO2削減と地産地消の両立を図る、サステナブルな滞在をご提案しています。

    環境に配慮した旅の選択肢のひとつとして、こうした取り組みに触れてみてはいかがでしょうか。

7.サステナブルなホテル選びが未来をつくる

  • 出張や観光など、ホテルを利用するシーンは日常のさまざまな場面にあります。そうした日々の選択のなかで、環境への配慮を意識してホテルを選ぶことは、未来の社会や自然環境を守る小さな一歩につながります。

    次のホテル選びでは、サステナビリティの視点を取り入れた滞在という選択肢にも、ぜひ目を向けてみてください。

ホテル選びの新たな条件として意識したい「SDGs」への取り組み。旅を楽しみながら地球の未来を守るために、今度の宿泊先はサステナブルなホテルを選んでみませんか?

(※2025年5月現在の情報です。記載の内容につきましては、予告なしに変更になる場合がございますので、ご了承くださいませ。)