【コラム】ホテルの時間
お散歩にもおすすめ!文京エリアで行きたい名所・庭園・文化施設
目次
- 1.文化のかおり高いまち、東京・文京区
- 2.おすすめ1「永青文庫」
- 3.おすすめ2「東京カテドラル聖マリア大聖堂」
- 4.おすすめ3「鳩山会館」
- 5.おすすめ4「ホテル椿山荘東京の庭園」
- 6.おすすめ5「六義園」
- 7.おすすめ6「小石川後楽園」
1.文化のかおり高いまち、東京・文京区
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文京区は、東京23区のほぼ中心に位置する文教地区です。日本の学校教育発祥の地であり、東京大学やお茶の水女子大学、東京医科歯科大学など複数の教育機関が集まっています。また、美術館や博物館などの文化施設も多く、閑静な住宅地のなかに史跡や庭園が点在している、文化のかおり高いまちです。ここでは、文京エリアのなかでもとくにおすすめの名所や文化施設、庭園をご紹介します。
2.おすすめ1「永青文庫」
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永青文庫(文京区目白台)は、肥後熊本54万石を治めた細川家伝来の歴史資料や美術工芸品を収蔵する、大名家の美術館です。目白通り(講談社野間記念館付近)から神田川方向に下る途中にあります。JR目白駅より都営バス「白61 新宿駅西口」行きにて「目白台三丁目」で下車後徒歩5分ほど、都電荒川線早稲田駅より徒歩10分ほどでアクセスできます。
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永青文庫の概要と見どころ
永青文庫は1950年に、16代当主の細川護立氏によって細川家の江戸下屋敷跡地内に設立されました。細川家に代々受け継がれてきた約9万4,000点の収蔵品を保管・管理しており、そこには国宝8件と重要文化財35件も含まれています。一般にも公開されるようになったのは1972年からのことで、テーマごとに展覧会を開催しています。
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永青文庫に隣接する「肥後細川庭園」
細川家の広大な江戸屋敷跡地内には肥後細川庭園があり、永青文庫に隣接しています(2017年3月に新江戸川公園より名称を変更)。庭園内には、細川家の学問所として使用していたとされる「松聲閣(しょうせいかく)」があり、こちらも見学可能です。目白台の隆起した地形を活かした「池泉回遊式庭園」となっており、立体的な眺望を楽しむことができます。
3.おすすめ2「東京カテドラル聖マリア大聖堂」
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目白通りに面する東京カテドラル聖マリア大聖堂(文京区関口)は、東京教区の司教座(カテドラ)がある日本最大級の教会です。特徴的かつ荘厳なデザインでも知られており、有楽町線江戸川橋駅より徒歩15分ほどの場所にあります。永青文庫からは、歩いて10分ほどでアクセスできます。
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東京カテドラル聖マリア大聖堂の概要と見どころ
東京カテドラル聖マリア大聖堂は、もともとは木造ゴシック式の聖堂でしたが、東京大空襲の際に焼失しました。現在の聖堂は、ドイツ・ケルン教区の支援を受けて1964年に竣工したもので、世界的建築家の丹下健三氏が設計を手掛けています。
外装のステンレス・スチールや聖堂内部に広がる無柱の空間など、ほかにはない魅力があります。日本最大級のパイプオルガンも設置されており、観光スポットとしても人気の高い場所です。ミサや催しなどがなければ一般の方でも聖堂の内部を見学できますが、団体で訪れる場合は事前連絡が必要となります。
4.おすすめ3「鳩山会館」
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鳩山会館(文京区音羽)は、元内閣総理大臣・鳩山一郎氏の私邸です。英国風のクラシカルな洋館で、その立地から「音羽御殿」とも呼ばれています。有楽町線江戸川橋駅より徒歩7分ほど、東京カテドラル聖マリア大聖堂からは歩いて10分ほどの場所にあります。
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鳩山会館の概要と見どころ
鳩山会館の設計を手掛けたのは、鳩山一郎氏の友人であり建築家の岡田信一郎氏です。戦後の政治史において重要な舞台となった場所で、現在は一般の方も見学できます。テレビドラマなどのロケ地としてもよく使われており、春と秋に咲く庭園の美しいバラも見どころのひとつです。
館内には、応接室や大広間、記念室、食堂、サンルームなどがあり、鳩山家4代にわたる記念品や愛蔵品が展示されています。また、階段の踊り場などに設置された、日本のステンドグラス制作の先駆者・小川三知氏の作品も見ごたえがあります。1月〜2月および8月は資料整理・修繕で長期休館しているため、注意が必要です。
5.おすすめ4「ホテル椿山荘東京の庭園」
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文京区は緑豊かなエリアとしても知られており、お散歩にもおすすめの庭園が点在しています。
ホテル椿山荘東京(文京区関口)もそのひとつで、敷地内にある森のように広大な庭園では、四季折々の景色とともに美しい自然を楽しむことができます。有楽町線江戸川橋駅より徒歩約10分、永青文庫から歩いて5分ほど、東京カテドラル聖マリア大聖堂からは歩いて1分ほどの場所にあります。現在は安全対策のため、誰でも庭園に入れるわけではなく、宿泊やレストランなど館内施設を利用する方のみに制限されています。
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ホテル椿山荘東京の庭園の概要と見どころ
ホテル椿山荘東京が位置する目白台周辺は、古くから椿が自生する景勝地です。江戸時代には上総久留里藩の黒田豊前守の下屋敷がありましたが、明治時代に山縣有朋が私財を投じて庭と邸宅をつくり、「椿山荘」と命名しました。庭園には歴史を感じさせる史跡が点在し、中心にある「幽翠池」まで歩くと国登録有形文化財の三重塔「圓通閣」が姿を見せます。宿泊者専用のガーデンツアーも提供されており、ホテル屋上にある空中庭園「セレニティ・ガーデン」からは、庭園はもちろん都心の景色も一望できます。
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「東京雲海」
ホテル椿山荘東京では、季節や時間、天候に左右されずに一年を通して体験できる、日本最大級の霧の庭園の演出「東京雲海」を楽しむことができます。また、「東京雲海」とともにお楽しみいただける季節の庭園演出も、随時ご覧いただけます。
6.おすすめ5「六義園」
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六義園(りくぎえん/文京区本駒込)は、約8万7,800平方メートルの広大な敷地をもつ大名庭園です。国の特別名勝に指定されており、後述の小石川後楽園とともに「江戸の二大庭園」に数えられていました。JR山手線/南北線駒込駅より徒歩7分ほど、三田線千石駅より徒歩10分ほどの場所にあります。
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六義園の概要と見どころ
六義園は、5代将軍の徳川綱吉の側近・柳澤吉保が自らの下屋敷に造成した「回遊式築山泉水庭園」です。完成したのは1702年で、桂離宮の庭園様式を採用しています。柳澤吉保の文学への造詣の深さが感じられる日本庭園で、和歌の聖地ともいわれる紀州・和歌の浦の景勝を彷彿とさせる風景が広がります。明治時代には三菱財閥の創業者である岩崎彌太郎氏の所有地となり、1938年に東京市に寄付されて以降、一般公開されています。
園内を一周めぐって景観を楽しむことを前提につくられた六義園には、薄紅色の見事な花を咲かせる「枝垂れ桜」や、美しい紅葉に囲まれる「つつじ茶屋」など、四季折々の風情が感じられる見どころが点在しています。また、土曜・日曜・祝日には、ボランティアによる無料の庭園ガイドも実施されています(状況によって中止となる可能性もあるため要確認)。
7.おすすめ6「小石川後楽園」
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約7万800平方メートルの広さをもつ小石川後楽園(文京区後楽)は、日本でも数少ない、特別史跡と特別名勝の重複指定を受けている庭園です。入口門が2カ所あり、「東門」はJR総武線水道橋駅から徒歩約5分、丸ノ内線/南北線後楽園駅から徒歩約6分で、「西門」は都営大江戸線飯田橋駅から徒歩約3分、JR総武線飯田橋駅/水道橋駅から徒歩約8分でアクセスできます。
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小石川後楽園の概要と見どころ
小石川後楽園は、江戸時代初期に水戸徳川家の初代藩主である水戸頼房が築庭を始め、2代藩主の徳川光圀の代に完成しました。六義園と同じく池を中心にデザインされた回遊式築山泉水庭園で、後楽園の名は、范仲淹『岳陽楼記』「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という中国の教えに由来します。
明治維新後、小石川後楽園は明治政府に上地され、後に陸軍省の東京砲兵工廠となりました。兵器製造所の設備拡張のため、庭園全域を転用しようとする構想が興りましたが、当時の陸軍卿であった山縣有朋が天下の名園を失うに忍びないとして反対し、庭園は保存されることになりました。前述の「椿山荘」と同じく、庭園に対する山縣有朋の深い想いが感じられるエピソードです。
明の儒学者・朱舜水の意見を取り入れたことから、小石川後楽園には中国の景勝地を模した景観も見られます。なかでも、中国の杭州(現在の浙江省)にある西湖を模した「西湖の堤」は小石川後楽園を特徴付けるもので、後の大名庭園に大きな影響を及ぼしたとされています。起伏などの地形をそのまま活かしてつくられた小石川後楽園は、開放的な雰囲気の六義園とはまた趣が異なるため、両方を訪れてその違いを楽しむのもおすすめです。
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東京都文京区は、歴史や自然を感じられる見どころの多いエリアです。公共交通機関も上手に活用しながら、文化のかおり高いまちならではの散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(※2022年12月現在の情報です。記載の内容につきましては、予告なしに変更になる場合がございますので、ご了承くださいませ。)