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【コラム】ホテルの時間

お食い初めのメニュー(献立)とその意味

赤ちゃんの健やかな成長を願う「お食い初め」。お食い初めの祝い膳の献立とはどのようなものか、また、祝い膳で使われる縁起が良いとされる食材とその意味についてまとめました。ホテルでお祝いする「お食い初めプラン」の献立や内容もご紹介しています。

目次

  • 1.お食い初めとは
  • 2.メニューに込められた意味
  • 3.お食い初めのやり方
  • 4.ホテルで行うお食い初め

1.お食い初めとは

  • 「お食い初め」は、赤ちゃんがこれまで健康に育ってくれたことへの感謝と未来の成長を願う伝統行事のひとつです。お食い初めは「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれるように、赤ちゃんが生まれて100日目を祝うものでもあるため、生後100日から120日前後に行うとよいとされています。家族のなかの年長者が赤ちゃんの口元に料理を運び、食べる真似をさせます。これには、赤ちゃんが「一生食べ物に困らないように」と願いが込められています。お食い初めのお祝いは自宅や実家で行うほか、レストランやホテルなどの施設でお祝いする場合もあります。

2.メニューに込められた意味

  • お食い初めの日には、主役である赤ちゃんのために特別な「祝い膳」を用意します。祝い膳の献立は、「一汁三菜」が基本です。「一汁三菜」とは、和食の基本となる食事の構成のことで、ご飯のほかに、汁物1品とおかず3品を用意するのが理想的だとされています。おかず3品についても、主菜の魚料理に加えて副菜2品(または副菜1品と香の物)といった決まりがあります。お食い初めの献立は、つぎのように「一汁三菜」が基本となっていることがわかります。

    ・ご飯:赤飯
    ・汁物1品:お吸い物
    ・おかず3品:主菜の焼き魚(尾頭付き)、副菜として煮物と香の物

    また、お食い初めの献立は、お祝い事であるため、縁起の良い意味合いを持つ食材がふんだんに使用されています。お祝い膳の基本の献立と縁起がよいとされる食材、その意味について、ご紹介します。

  • <お祝い膳の基本の献立と意味>

    ・焼き魚(尾頭付き)
    お祝いの席の献立では、焼き魚には尾頭付きの鯛を用意することが多いでしょう。鯛は、「めでたい」という言葉の語呂合わせから、昔からお祝い事にふさわしい食材として使われてきました。また、赤い色は邪気を払い、白い色は清めるといわれており、表面が赤くて身が白い鯛は見た目からも縁起のよい食材として、お祝い事には欠かせないものとなっています。

    お食い初めの祝い膳においても、尾頭付きの鯛を用意するのが一般的です。尾頭付きにすることにも理由があります。尾から頭までついている姿が、最初から最後までまっとうしていることから転じて、「長寿」の意味合いがあるのだそうです。そのため、お祝いの席では、焼き魚は姿をそのまま残した尾頭付きが用意されるのです。また、鯛以外の魚を選ぶ際には、鯛のように頭の大きな魚を選ぶとよいとされています。

    また、お食い初め膳の献立のほとんどは、用意したお膳のうえに並べます。焼き魚だけは、別に大皿を用意して盛り付けます。尾頭付きの立派な焼き魚は見栄えがしますが、ご家庭での調理が難しい場合もあるので、レストランに予約したり、ケータリングを利用するのもよいでしょう。

    ・赤飯
    古くから赤い色は邪気を払うと考えられ、お祝いの席では赤飯が好まれてきました。何か特別にいいことがあった日に赤飯を炊く習慣は、現在でも広く知られています。お食い初めの祝い膳でも、飯碗には赤飯を用意するのが一般的ですが、地域によっては白飯や栗ご飯を用意するところもあるようです。

    ・お吸い物
    おめでたい席の汁物としては、蛤(ハマグリ)のお吸い物が知られています。蛤のお吸い物は、桃の節句(ひな祭り)の祝い膳でも欠かせない献立のひとつとしてご存知の方も多いことでしょう。蛤にはほかの貝にはない特性があり、ひとつの蛤の1対である2枚の貝がらはぴったりと重なるのですが、ほかの蛤の貝がらとは重なりません。このことから、蛤には「夫婦が添い遂げる」「良縁に恵まれる」といった意味合いが込められています。

    また、蛤に限らず、お吸い物という呼び名から、「吸う力が強くなり丈夫に育つ」とも考えられています。お食い初めの祝い膳では、蛤をはじめとする貝や昆布、魚介などから出汁をとった、シンプルな潮汁や味噌汁を用意することが多いようです。

    ・煮物(炊き合わせ)
    煮物は、多くの食材を合わせて煮ることから多喜合(たきあわせ)と漢字を当てて、多くの喜びが訪れる意味合いもつ献立です。祝い膳の煮物には、縁起のよい食材に旬の野菜を上手に組み合わせるとよいでしょう。例えば、海老と野菜の炊き合わせ、高野豆腐と野菜の煮物など。海老には、「腰が曲がるまで長生きする」といった意味があり、高野豆腐は邪気を払うとされています。

    ほかにも煮物に合う縁起のよい食材としては、「よろこぶ」の語呂合わせから家族繁栄の意味合いを持つ「昆布」、穴があることから先を見通せる力がつくとされる「レンコン」、子孫繁栄を意味する「里芋」、成長の早さからすくすく育つ願いを込めた「タケノコ」があります。

    また、煮物に使う野菜に、縁起のよい飾り切りを施すといった方法もあります。例えば、ご自宅で手軽に料理できる献立として、カボチャを六角形に切った煮物はいかがでしょうか。六角形は亀の甲羅の形でもあることから、「長生きする」「長寿」の意味合いを持たせることができます。

    ・香の物(酢の物)
    季節の野菜の漬物を用意します。漬物の代わりに、魔除けの効果があるとされる赤い色と白い色の組み合わせから、紅白なますを香の物として出すのもよいでしょう。タコの酢の物や梅干しを出す地域もあります。

    ・歯固め石
    歯固め石はお食い初めの最後の儀式に使う重要なアイテムです。地域によっては、梅干しと共に皿にのせるところもあるようです。梅干しには「しわが寄るまで長生きする」との意味合いがあり、長寿の願いが込められています。お食い初め膳では歯固め石もお膳の上にのせるため、赤ちゃんがうっかり口に入れてしまわないように注意しましょう。お宮参りの際に、歯固め石をいただいたという方はその石を使うとよいでしょう。また、市販のお食い初め用の食器を購入する場合には、歯固め石がセットされている場合もあります。

    歯固め石については、地域によって特色があります。例えば、アワビ、梅干し、栗の実などを歯固め石の代用とすることもあるようです。ちなみに、関西ではタコがその代表です。別の漢字で「多幸」と表し、8本の手が八方向に広がることから縁起のよい食べ物として好まれています。また、タコの吸盤がきれいに並ぶ様子から、赤ちゃんの歯が吸盤のようにきれいに並んで、何でも食べて健康に育つと考えられているそうです。

3.お食い初めのやり方

  • お食い初めの進め方について。お食い初めの祝い膳の前に箸役(養い親)である年長者が席に座り、衣装を身にまとった赤ちゃんをひざの上に座らせます。箸役(養い親)はお箸で料理を取り分け、赤ちゃんの口元に運び、食べる真似をさせます。あとは、お食い初めの正しい順番にそって、この作業を繰り返し、最後に、歯固め石を使用した儀式を行います。

4.ホテルで行うお食い初め

  • お食い初めのお祝いはきちんとしたいけれど、育児や仕事で忙しく、多くの献立を自分で用意するのは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合には、お食い初めをホテルでお祝いしてみてはいかがでしょうか。ホテルでのお食い初めは、プロフェッショナルの手を借りることで、準備や段取りに時間を取られることが少なく、家族がリラックスしてお祝いできると好評です。

    「ホテル椿山荘東京」では、日本料理「みゆき」や石焼料理「木春堂」、イタリア料理「イル・テアトロ」など、館内の複数のレストランで、お食い初めプランをご提供しています。ご家族の人数やお好みの料理にそって、会場をお選びいただけます。

    当ホテルでは、赤ちゃんのお食い初めの祝い膳として、蛤真丈、野菜の炊き合わせ、鯛の姿焼き、お赤飯、玉地蒸し(茶碗蒸し)など、縁起のよい食材をあしらったホテル特製の献立をご用意しております。お食い初めのお祝いの席では、老舗ホテルならではの味わいとくつろぎを感じていただけることでしょう。

  • お食い初めプランには、いずれのレストランも個室料が含まれています。個室であれば、周りも気にならず安心です。また、乾杯用のドリンクや歯固め石が含まれているプランや、大人4名様のお料理と赤ちゃんのお祝い膳がセットになっているプラン、人数がフレキシブルなプランなど、ご家族のご希望に合わせてご提案いたします。ご要望があれば、当ホテルの写真室での記念撮影を承るほか、衣装の着付けやご祈祷なども当ホテル内の施設をご利用いただけます。お食い初めプランについて、ご不明な点やご相談がある場合には、お気軽にお問い合わせください。

(※2021年11月現在の情報です。記載の内容につきましては、予告なしに変更になる場合がございますので、ご了承くださいませ。)