【コラム】ホテルの時間
節分とはいつ、何をする日?~豆まきの由来から、飾り、恵方巻の方角まで~
目次
- 1.節分とは
- 2.節分に豆まきをするのはなぜ?
- 3.節分に恵方巻を食べる理由・食べ方と方角
- 4.ホテル椿山荘東京の節分・恵方巻
1.節分とは
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初めに節分の時期をおさらいし、意味や由来、行事の内容を確認しましょう。
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節分とはいつ?意味や由来は?
「節分は2月3日」と覚えている方が多いかもしれませんが、実は毎年同じ日とは限らないことをご存知でしょうか。節分は一般的に「立春の前日」のことを指し、立春の日付は年ごとに変動するため、節分も2月2日や4日になることがあります。たとえば2025年、2029年、2033年の節分は「2月2日」です。
節分とは「季節の変わり目」を意味し、かつては立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を「節分」と呼んで儀式を行っていました。中でも立春は、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで「春の始まり」とされ、旧暦では「新年のスタート」にあたる特別な日。その前日となる節分は、一年の平穏無事を願う日として重んじられてきたのです。
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節分は何をする日?
節分といえば、豆まきや恵方巻が定番ですが、地域ごとに独自の風習が受け継がれています。関西地方では「柊鰯(ひいらぎいわし)」や「焼嗅(やいかがし・やっかがし)」と呼ばれる魔除けの風習が今も行われ、玄関や軒先に柊の葉と焼いたイワシの頭を飾るのが特徴です。これは、柊のトゲやイワシのにおいが鬼を遠ざけると信じられてきたためです。また、関東地方ではけんちん汁、四国地方ではこんにゃくを食べるなど、地域によって食文化にも違いが見られます。
さらに、立春の前日が旧暦の大晦日にあたることから、一部の地域では年越しそばを食べる風習も残っています。こうした地域ごとの違いを調べてみると、新たな節分の楽しみ方が見つかるでしょう。
2.節分に豆まきをするのはなぜ?
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節分ならではのイベントとしてお馴染みの豆まきですが、ここでは豆をまく意味や伝統的な豆まきの方法などをご紹介します。
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豆まきの意味、由来
節分の豆まきは、「邪気払い」を目的とする風習です。古代の日本では、大晦日にその年の邪気や災いをはらう「追儺(ついな)」という中国から伝わった行事が行われていました。この行事がやがて民間に広まり、現在の節分の豆まきへと形を変えたとされています。
当初は豆だけでなく、米や麦などの穀物をまくこともありました。現在のように炒り豆を使うようになった背景には、「“魔を滅する”という言葉の語呂合わせ」や「豆の栄養価の高さが病をはらうと信じられたこと」、さらには「毘沙門天が鬼の目に豆を投げて退治した伝説」など、複数の説があります。
また「鬼は外」と唱えるのは、病や災害といった災いをもたらす鬼を追い出すため、「福は内」と唱えるのは、福の神を家の中に招き入れるためです。こうした掛け声にも、人々の願いが込められています。
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豆まきの方法
地域や家庭によって節分の風習が異なるように、豆まきにも全国共通の決まったルールはありません。家庭の状況に合わせて、自分たちに合った方法で楽しむのが一番です。ここでは、一般的な豆まきの流れをご紹介します。
まず、節分の日までに福豆を用意しましょう。福豆とは、炒った大豆を枡などに入れ、神棚にお供えしたものを指します。生の豆ではなく炒り豆を使うのは、「鬼を射る(いる)ため」「まいた豆が芽を出すのは縁起が悪いから」といった理由が挙げられます。
豆まきは「鬼が現れる」とされる夜に行うのが一般的です。家族全員が揃ったら、奥の部屋から順番に行いましょう。初めに部屋の扉や窓を開け、「鬼は外!」と掛け声をかけながら外に向かって豆をまきます。その後、鬼が戻らないよう素早く扉や窓を閉め、「福は内!」と言いながら室内にも豆をまきます。これを全ての部屋で繰り返し、最後に玄関で豆をまいて扉を閉めれば終了です。
マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合は、近隣への配慮も必要です。「豆は室内だけでまく」「外にまく場合は小袋入りの豆を使い、まいた後は拾う」「静かに行う」など、周囲に迷惑をかけない工夫をしながら楽しみましょう。
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豆はいくつ食べればいい?
豆まきのあとは、一年間の厄除けを願いながら福豆をいただきます。食べる豆の数は、数え年にちなんで「現在の年齢+1個」とされていますが、小さなお子さまやたくさん食べられない方は無理をせず、食べられる範囲で楽しむことが大切です。
3.節分に恵方巻を食べる理由・食べ方と方角
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続いては、節分に恵方巻を食べる意味や由来、食べ方の注意点や食べる方角(恵方)、具材の選び方についてお伝えします。
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恵方巻の意味、由来
関西を中心に全国へと広がった恵方巻の文化。その起源には諸説あり、「江戸から明治時代の間に、大阪の商人が商売繁盛を願って節分に巻き寿司を食べた」「芸妓たちが贔屓客との縁が続くことを願って太巻きを丸かぶりした」といった話が伝わっていますが、はっきりとした由来については定かではありません。
「恵方」とは、陰陽道で「その年の幸福を司る神様がいる方角」を指す言葉です。恵方に向かって物事を行うと良い結果をもたらすと信じられており、恵方巻をその方角に向かって食べることで、「願い事が叶う」「厄をはらう」ことができると考えられています。
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恵方巻の食べ方、食べる方角
恵方巻は、縁や福を巻き込むものとされるため、包丁で切らずに丸ごと食べるのが一般的です。途中で話すと運が逃げると考えられているので、恵方を向いて、静かに願い事を思い浮かべながらいただきましょう。一人一本用意し、丸ごと食べるのが一般的です。
恵方は年によって変わりますが、東北東、西南西、南南東、北北西の4方向しかありません。この方角は、暦を構成する十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・丙・辛・壬・癸)と組み合わせて決まります。
覚え方は、西暦の下一桁を基準にすると簡単です。たとえば下一桁が0・5の年は西南西、1・3・6・8の年は南南東、2・7の年は北北西、4・9の年は東北東のため、2020年や2025年は西南西、2026年、2028年は南南東、2027年は北北西が恵方となります。
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恵方巻はどう準備する?具材は?
節分の時期になると、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで恵方巻を手軽に購入できますが、「特別感を楽しみたい」という方は、ホテルや料亭、寿司店などで事前に注文しておくのもおすすめです。
手作りする場合は、七福神にちなみ、7種の具材を揃えてみてはいかがでしょうか。細長い形が長寿や縁結びを象徴する「かんぴょう」、陣笠に似た形から身を守る意味が込められた「しいたけ」、黄金色が金運を呼ぶ「だし巻き玉子」、出世や商売繁盛を願う「うなぎ」、長いヒゲと腰の曲がった形が長寿を思わせる「エビ」、九つの利をもたらす「きゅうり」、鯛を使うことが多く、縁起のよい食べ物とされる「桜でんぶ」などが人気です。
4.ホテル椿山荘東京の節分・恵方巻
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ホテル椿山荘東京は、東京の文京区という都心にありながら、静かで落ち着いた環境を有するホテルです。敷地内には自然豊かで広大な庭園が広がり、季節ごとに移り変わる美しい景色をお楽しみいただけます。
冬の庭園には梅や椿の花が咲き、日中は静謐な緑をやわらかく包み込む「東京雲海」、夜には星空を彩る「森のオーロラ」など、ここでしか出会えない幻想的な風景をご覧いただけます。また、庭園内には大黒天や恵比寿神といった七福神の石像があるため、七福神巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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ホテル椿山荘東京の恵方巻のご紹介
皆様の一年の幸福を願い、ホテル椿山荘東京では館内レストラン 日本料理「みゆき」の寿司職人が作る特別な恵方巻を数量限定でご用意しております。2025年は三重塔移築100周年にあたります。それを祝し、三重塔の故郷である広島県産の牛肉を使用し、低温調理で柔らかく焼き上げた和風ローストビーフを具材に加えました。末広がりで縁起のよい「八」の数字にちなんだ8種類の具材で彩られた豪華な恵方巻を、ぜひご家族でお召し上がりください。
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また、日本料理「みゆき」では、旬の食材をふんだんに使った彩り豊かな和食や会席料理をご堪能いただけます。和の趣あふれる落ち着いた空間の中で、心落ち着く特別なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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ご宿泊のご案内
節分の季節は、慌ただしい年末年始を終え、心身をゆっくりと休める絶好の機会です。ホテル椿山荘東京では2月6日(木)までの期間中、夜の庭園に奇跡の絶景を描き出す「森のオーロラと東京雲海~Winter Wonder Garden~」を開催しておりますので、ぜひこの機会に当ホテルにお越しくださいませ。
一年の幸せを願い、豆まきや恵方巻きなどを楽しむ「節分」。古の人々が託した思いに心を寄せながら、今年の節分をどのように過ごすか計画してみませんか?