

【コラム】ホテルの時間
東京で訪れるべき文化財10選~歴史的建造物として知られる寺社・邸宅・古塔など~
目次
- 1.文化財とは?定義とその種類
- 2.東京都内のおすすめの文化財
- 3.ホテル椿山荘東京の三重塔と庭園
1.文化財とは?定義とその種類
-
「文化財」とは、長い歴史の中で生み出され、日本文化の一部として価値を認められたものを指します。日本では「文化財保護法」に基づき、貴重な文化財を次世代へ継承するための保護活動が行われています。
-
文化財の種類
文化庁では、文化財保護法に基づいて、次の6つに分類しています。
• 有形文化財:建造物、美術工芸品など
• 無形文化財:演劇、音楽、工芸技術など
• 民俗文化財:衣食住や信仰・風習、民俗芸能など
• 記念物:遺跡、名勝地、動物、植物、地質鉱物など
• 文化的景観:地域の人々の生活や風土により形成された景観地
• 伝統的建造物群:宿場町、城下町、農漁村など
これらのうち重要なものについては、国が重点的に保護を行っています。たとえば、文化財の中で重要なものは「重要文化財」「重要無形文化財」などに指定され、その中でも特に価値の高い有形文化財が「国宝」に選ばれます。一方、所有者や関係者からの届出により、保存と活用が必要と判断されたものについては「登録有形文化財」「登録無形文化財」となります。
2.東京都内のおすすめの文化財10選
-
ここでは、ぜひ訪れてほしい東京の文化財10選をご紹介します。周辺の観光も兼ねて、文化財巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
-
1.浅草寺「二天門」「伝法院」など
都内最古の寺院である浅草寺。創建は飛鳥時代に遡ります。境内には、江戸時代初期に建築された二天門や、伝法院の客殿、大書院などの重要文化財があります。※伝法院は修理のため現在非公開
-
2.増上寺「三解脱門」
港区・芝公園の中央にあり、徳川家の菩提寺として知られる増上寺。江戸時代初期の建造で、東日本最大級の大きさを誇る三解脱門が重要文化財に指定されているほか、境内には数多くの文化財があります。※三解脱門は現在修復工事中。令和17年11月完了予定。
-
3.護国寺「本堂」「月光殿」
護国寺は1681年、徳川綱吉公が生母・桂昌院の発願により創建されました。1697年に完成した本堂(観音堂)と、近江の三井寺に由来する桃山時代の建造物である月光殿がともに、国の重要文化財です。
-
4.旧前田家本邸「洋館」「和館」
旧加賀藩主の16代当主、前田利為侯爵が1929年に建設した旧前田家本邸。英国風の重厚なデザインが特徴の洋館と、迎賓施設として建設された和館のどちらも重要文化財です。現在は、目黒区立駒場公園の一部として一般公開されています(画像は「洋館」 提供元:東京都教育委員会)
-
5.旧岩崎邸
旧岩崎邸は、1896年に三菱財閥の3代目社長 岩崎久彌の本邸として建てられました。英国人建築家ジョサイア・コンドルに設計された明治時代の洋館建築の傑作であり、重要文化財に指定されています。
-
6.明治神宮
1920年に明治天皇と皇后の昭憲皇太后を祀る神社として創建された明治神宮。1945年に戦火で焼失した社殿の基礎をいかし、1958年に復興した本殿や拝殿、日本初期の鉄筋コンクリート建築を代表する宝物殿などの36棟が国の重要文化財に指定されています。
-
7.旧寛永寺「五重塔」
国の重要文化財である旧寛永寺の五重塔は、1631年に寛永寺境内の上野東照宮に建てられました。現在は上野動物園の一角となっているため、五重塔を間近で見るには動物園への入園が必要です。
-
8.池上本門寺「五重塔」
江戸幕府2代将軍徳川秀忠の乳母・岡部局が願主となり、秀忠によって1608年に建てられたのが池上本門寺の五重塔です。関東地方に現存する最古の五重塔といわれ、国の重要文化財に指定されています。
-
9.旧因州池田屋敷表門
旧因州池田屋敷表門は、江戸時代に鳥取藩・池田家江戸上屋敷の正門として建てられました。明治期には東宮御所の正門や高松宮邸の表門としても使われ、1954年に現在の東京国立博物館へ移築。「上野の黒門」と呼ばれ、親しまれています。東京大学「赤門」と並び称される大名屋敷門の遺構で、国の重要文化財です。
-
10.椿山荘「三重塔」
1925年、平安時代の歌人である小野篁(おののたかむら)にゆかりのある広島県の篁山竹林寺から、現在のホテル椿山荘東京の庭園内に移築された三重塔。室町時代前期の部材が取り入れられており、国の登録有形文化財に登録されています。この三重塔は旧寛永寺「五重塔」、池上本門寺「五重塔」とともに”東京三古塔”として知られ、なかでも椿山荘の三重塔が最も古いものとされています。
3.ホテル椿山荘東京の三重塔と庭園
-
ホテル椿山荘東京は、東京の文京区という都心にありながら、静かで落ち着いた環境を有するホテルです。敷地内には自然豊かで広大な庭園が広がり、登録有形文化財の三重塔をはじめ、数々の史跡が点在しています。三重塔をご覧になる際は、季節の花々を愛でながら史跡巡りもお楽しみいただけます。
-
ホテル椿山荘東京の三重塔の由来と歴史的背景
ホテル椿山荘東京の歴史は1878年、山縣有朋公爵が椿の自生地として知られるこの土地を入手し、邸宅や庭園を設けたことから始まりました。その後、椿山荘を譲り受けた藤田平太郎男爵が庭園に合う三重塔を全国に探し求め、1925年に東広島の篁山竹林寺にあった三重塔を修繕し、椿山荘へ移築したと伝えられています。
創建時期や来歴は定かではありませんが、平安期の歌人・小野篁によって建てられ、平清盛によって改修された可能性があると藤田平太郎の妻、富子が著書に書き残しています。また、建築様式から室町時代末期の建立と推測されていましたが、2010年の大改修で室町時代前期の材木が使われていることが判明しました。その大改修において本尊の聖観世音菩薩が奉安され、以来この三重塔は「圓通閣」と呼ばれています。
-
季節の移ろいとともに楽しむ三重塔の魅力
伝統的な日本庭園の中に静かに佇む三重塔。その荘厳な姿は、季節ごとに異なる美しさを見せてくれます。春にはソメイヨシノや八重紅枝垂桜が咲き誇り、初夏にはきらめく新緑、秋には鮮やかな紅葉、冬には雪吊りが施された景色と調和し、四季折々の風情を感じさせてくれます。
庭園内には、鎌倉時代の石灯籠や樹齢500年を超える御神木、七福神像など見どころも豊富にあります。散策を楽しみながら、歴史ある史跡を巡ってみてはいかがでしょうか。ご宿泊の際は、ガーデンビューの客室から望む庭園の景観もぜひご堪能ください。
-
ホテル椿山荘東京ならではの特別な体験
ホテル椿山荘東京では三重塔の移築100周年を記念し、多彩なイベントやプランをご用意しております。
庭園演出「天空の三重塔(パゴダ)」では、三重塔の故郷・東広島の篁山竹林寺から見える雲海を再現した霧のパフォーマンスを披露します。歌人の小野篁も詠んだとされる絶景を思い浮かべ、雲の上に佇む幻想的な三重塔をご覧ください。
-
その他、プライベートガーデンツアーを含んだスイートルームのご宿泊プランや、三重塔移築100周年にふさわしい華やかなビュッフェ、アフタヌーンティーなどをラインナップ。
-
ホテル内のショップ「セレクションズ」では、三重塔移築100周年記念パッケージに入った「デアバウムクーヘン」や、三重塔の歴史を綴った椿山荘選書「椿山荘三重塔」、「三重塔移築100周年絵馬
」などをお買い求めいただけます。この特別な機会に、ぜひホテル椿山荘東京へ訪れてみてはいかがでしょうか。
東京のさまざまな場所に今も残る「文化財」。脈々と受け継がれてきた歴史に心を寄せながら、タイムトラベル気分で鑑賞してみてはいかがでしょうか。
(※2025年4月現在の情報です。記載の内容につきましては、予告なしに変更になる場合がございますので、ご了承くださいませ。)