ホテル椿山荘東京の「今」・見どころ
椿の歴史を知っていますか?
およそ2月末までホテル椿山荘東京の庭園では、約100種1000本の椿をお楽しみいただけます。
今回は、知ればさらに椿観賞が楽しくなる椿の歴史をご紹介いたします。
日本人と椿。その歴史は古く、およそ5000年前の縄文期に遡ります。
福井県の遺跡では、椿材製の赤い漆塗りの櫛が発見されています。
椿の木は堅く均質で、重量と粘りがあり、強靭ななかにもしなやかさを兼ね備えており、
その性質を表した「強葉木(つばき)」を語源とする説もあります。
また、椿油は遣唐使が不老不死の贈り物として唐の国へ献上したという記録も残っています。
「花を楽しむ園芸植物」ではなく、「生活に益する有用植物」として椿は重用されていたようです。
源氏物語に、「椿い餅」という菓子の記述があります。
これは二枚の椿の葉で団子を挟んだもので、日本最古の和菓子と言われています。(諸説あり)
室町時代になり、造園や華道、茶道が盛んになると椿は観賞用の花木として迎え入れられるようになります。
足利義満は椿をはじめ、名花を敷き詰めた「花の御所」と呼ばれる屋敷を造園し、椿をたいそう愛でたといわれます。
その後、“侘び・寂び”の象徴として豊臣秀吉や千利休などにも愛された椿は、
江戸時代には「寛永の椿」と呼ばれる大流行もあり上流階級だけでなく、広く庶民にまで浸透していきました。
現在では、広く世界中で知られることになり、様々な品種が生み出された椿。
昔の人も同じように椿を愛していたことに想いを馳せて、ごゆっくりと観賞してみてはいかがでしょうか。