THE INTERVIEW
No.2
2019新緑蛍号
頭の中で想像したことを
お皿の上に表現できる喜び
ホテル椿山荘東京イル・テアトロシェフ
田畑成さん
ホテル椿山荘東京のメインダイニング、イタリア料理「イル・テアトロ」で、感性豊かに腕を振るう田畑成シェフ。お皿の上に色彩豊かに描かれるアートのような料理は、どのようなアイデアから生まれるのでしょうか。
「むしろ絵は苦手だったんですけどね。メニューを発想する時は、まずは旬の食材から入ります。食材と季節のテーマから、味や色をイメージしていきます」
料理好きの父親の影響もあり、子どもの頃から食への好奇心が旺盛。食べることより作って誰かに喜んでもらうことが何よりの喜びだったそう。料理の道に入り転機となったのが、イタリア人シェフとの仕事。そして、パリの三つ星レストランでの研修。そこで学んだ、既成概念にとらわれない発想や高い水準が、現在の仕事の確固たるベースになっています。
「頭の中で想像したことを、形としてお皿の上に表現できることがこの仕事の醍醐味。最近では素材を生かす新しい調理法が注目されていたり、目新しい食材が海外から流通しています。それをどう生かすか、どう使うかを考えることも楽しいです。また、和の食材とイタリアンをいかに融合させるか、というのも個人的なテーマです。でも何よりお客様からの『美味しかった』という一言こそ、やりがいの源。最後は、やっぱりそこに尽きます。」
Written by Mika Tokairin