THE INTERVIEW
No.4
2019冬・2020椿号
先輩たちの教えを胸に
四季を彩る和食の世界を極めたい。
ホテル椿山荘東京 石焼料理「木春堂」料理長
赤羽佳典さん
学生のころから料理に興味があり、学業の傍ら、レストランやそば店で調理に携わっては日々高揚感を覚えていました。「色彩の豊かさと奥深い技術に惹かれ、和食の道に進みました。入社後、基礎から料理を覚えていきました。出汁のひき方ひとつとっても、関西の軟水であれば昆布の量はこのくらい、時間はこのくらいと、理屈を熟知した先輩から、手取り足取り教えてもらいました。この経験が、私の料理のベースになっています」
大阪・太閤園の料亭 淀川邸などの経験を経て、2018年に木春堂の料理長に就任。富士山の溶岩石を使い、素材そのものの良さを引き出す料理を追求しています。「これまで焼き物はいろいろ経験してきましたが、溶岩石と出会ったことで、また違った世界が広がりました。素材の水分のみで調理するため、素材の旨みを凝縮させながら、ふっくら仕上げることができるのです。和食は四季が非常に重要なので、旬の食材を取り入れながら、昼は会話が弾む料理を、夜はお酒がより美味しくなる料理を提供しています。私の財産は、今までに出会った先輩からの教え。その財産を糧にお客様へ和食の魅力をお届けしたいと思っています。」
Written by Haruna Hagiwara